寵愛の姫 Ⅱ【完】



ぎゅっと、手を握り締める。



「…莉茉…。」



そっと私の手に重なる温もり。





暁の大きな手が、私の握り締められた手を上から包み込むように添えられた。




「…暁。」


「大丈夫だ。」




不安を見透かしたように暁の瞳が私を見下ろす。
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