寵愛の姫 Ⅱ【完】



「俺が側にいる。」


「…うん。」


「1人で抱え込むな。」


「うん。」




暁に小さく頷いた私は、自分自身を落ち着かせるように息を吐き出した。




「あ、の、お父さん…。」


「お父さん…?」




恐る恐る口を開いた私に、頼さんは一瞬だけ驚いた表情を浮かべると、直ぐに照れ臭そうに顔を緩ませる。
< 170 / 440 >

この作品をシェア

pagetop