寵愛の姫 Ⅱ【完】




恐る恐る目元を拭えば、頬に流れ落ちる涙。




自分でも驚く。





困惑するのは、何も私だけじゃなかった。




「莉茉ちゃん!?」




急に泣き出した私にお母さんが驚きにソファーから立ち上がる。




「……私が何か気にさわるような事を言ってしまったの…?」



慌てたように私の側に来たお母さんがおろおろと顔を除き込む。
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