寵愛の姫 Ⅱ【完】



だけど、涙で滲んで目では上手く確認が出来なかった。



「ご、めんなさい、違うんです。」


「え?」


「っ、嬉しくて…。」




顔を覆って嗚咽を押さえる。




…嬉しかった。



私を家族だと言ってくれたお母さんの言葉が…。




泣きたくなるほど、



………嬉しかったんだ。
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