寵愛の姫 Ⅱ【完】



「なぁ、莉茉。」


「……?」


「お前、昨日から泣きすぎじゃねぇか。」



優しく私の背中を軽く叩く暁が忍び笑いに少しだけ身体を震わせる。




…言われてみれば…。




「…そう、かも…。」



振り返ってみれば、昨日から暁の前で泣きすぎてる気がする。




滅多に、人に感情を見せなかった私なのに…。
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