寵愛の姫 Ⅱ【完】


我慢する事は慣れていたはずなのに、暁に会ってからそれも崩れていった。




多分、それは―――。



「莉茉。」


「…う、ん?」


「泣きたければ、無理に我慢しなくて良い。」


「…ん。」



暁の愛情と優しさに包まれているからで…。




張り詰めていた緊張感がぷつりと切れてしまったんだと思う。




人の顔を窺って怯える必要は無いんだと、暁が心から分からせてくれたから…。
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