寵愛の姫 Ⅱ【完】



「…どういたしまして。」



感謝の言葉を送った私に、お父さんは照れ臭そうに微笑んだ。


「暁。」



お父さんに名前を呼ばれた暁の瞳がそちらに向く。



「何だ?」


「莉茉さんを必ず幸せにしてあげなさい。」


「―――当たり前だ。」



真剣な表情なお父さんに暁は鼻を鳴らした。
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