寵愛の姫 Ⅱ【完】



「はい、お父さん、ありがとうございます。」


「どういたしまして。」



ほのぼのとした空気がお父さんとの流れる。



…良かった。



どうにか、お父さんの誤解は解けたみたい。



「……おい。」



安堵の息を吐いた私の腰を、低い声を発した暁の力強い腕が引き寄せた。



「黙って聞いてれば、どうして莉茉が親父達と暮らさないといけねぇんだよ。」



半端ない威圧感が暁の回りを取り巻く。
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