寵愛の姫 Ⅱ【完】


……それは、私が初めて聞いた裏の世界の住人独特の声色。




どこまでも穏やかなお父さんが、極道の人間なんだってまざまざと見せられた瞬間だった。



「美夜。」


「…はい。」


「莉茉さんは暁のマンションで暮らす。」


「…でも…」



どこか名残惜しそうな表情のお母さん。



「その方が莉茉さんも安心が出来るだろう?」
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