寵愛の姫 Ⅱ【完】



「…え、でも…。」



ちらりと俺の様子を気にしたように躊躇いがちな視線を莉茉が向けてくる。




……仕方ねぇな。



「…行ってこい。」



莉茉の背中を押す。




「良いの?」


「あぁ、でも…」


「……?」


「直ぐに帰ってこいよ?」


「うん!」




満面の笑顔で莉茉がソファーから立ち上がった。
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