寵愛の姫 Ⅱ【完】



「っ、ん…暁…。」



……でも……



……嫌じゃなかった。




寧ろ、安心したの。




求められる事への、



―――安堵感。



「…ふぁ…。」



自分の腕を暁の首の後ろに回して絡ませと、瞳を閉じる。




…愛してる…



沸き起こる衝動。




ーーーこれが、誰かを心から愛するって事なんだ……。





私の目尻から涙が一粒、こめかみを流れ落ちた。
< 21 / 440 >

この作品をシェア

pagetop