寵愛の姫 Ⅱ【完】



「……。」




…だよな。



それが一番の問題だ。




……あいつ、嫌がるんじゃねぇか?



「ある意味、これはお前への試練だな。」


「……チッ。」



楽しげな親父の顔に舌打ちが漏れる。




……面白がりやがって。



親父に対して怒りを覚え始めた時、ドアを小さくノックする音が部屋の中に響いた。



「……暁、入っても平気?」



ひょっこりとドアの隙間から顔だけを出す莉茉。
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