寵愛の姫 Ⅱ【完】



「さて、」



おもむろに親父がソファーから立ち上がる。



「美夜、そろそろ帰ろう。」


「…もう?」



不満そうなお袋に親父は優しい瞳で見つめていた。



「あぁ、これ以上の長居は遠慮しよう。」


「…分かったわ。」



渋々ソファーから立ち上がったお袋の腰に、親父の腕が自然と回される。
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