寵愛の姫 Ⅱ【完】




「っ、」


「莉茉。」




震える私の指を、暁の大きな手が包み込む。



「大丈夫だ、莉茉。」



絡まる暁の手に力が入る。



「っ、うん。」


「俺はお前を捨てたり、要らないなんて何があったとしても言わねぇ。」



決して私から逸らされる事のない暁の瞳。



「うん、信じる。」



人は簡単に裏切るもの。
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