寵愛の姫 Ⅱ【完】



「……莉茉。」



私の唇に付いた唾液を舐めとった暁が妖艶に微笑む。



「良いと言え。」


「っ、暁…。」


「莉茉から俺を求めろ。」



くらくらする。



「…暁…。」



ごくりと唾を飲む。



「―――欲しい、……っ、暁が…。」



ぎゅっと目を瞑る。


「………でも、ベッドじゃなきゃ嫌。」


…あぁ…



これじゃあ、私からねだっているみたいじゃないか…。
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