寵愛の姫 Ⅱ【完】



恥ずかしさに、頬が朱に染まっていく。



「莉茉、目を開けろ。」


「……。」



暁に促されて目を開ければ、欲情を孕んだ視線とぶつかる。



「家までは我慢してやる。」


「っ、うん。」


「帰ってからは……。」



ぎらぎらと何かに餓えたかの暁の瞳。



「――今夜も寝かせない。」



……妖艶に……



どこまでも艶やかに暁は笑った。
< 277 / 440 >

この作品をシェア

pagetop