寵愛の姫 Ⅱ【完】



溜め息を吐き出したいのは、俺の方だろ。




そんなお袋に莉茉が身体を震わせたのは一瞬だった。



強くなれ。



俺の言葉に頑張って向き合おうとしている莉茉。




その姿が可愛いと思う。




どこまでも健気で…。



……愛おしいくなる。


「頼さんにもきつく言われているもの…。」



至極残念なような表情でお袋がぼそりと呟いた。
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