寵愛の姫 Ⅱ【完】


……勘弁してくれ。




お袋にベタ惚れの親父が強く言える訳がねぇ。


「お袋、本当に連れて行くなよな。」


「えぇ、“今日”はね。」


「あ?」



今日は?



それじゃあ、何だ…。




今日じゃなかったら、莉茉を変な所に連れて行く気なのか?



「おい、ふざけんなよ。」



俺の口から低い声が出た。
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