寵愛の姫 Ⅱ【完】



「…………あの、お母さん。もう、出掛けませんか?」


「まぁ、そうね。」



にっこりと笑ったお袋に、どこかほっとしたように莉茉が表情を和らげた。



「暁も…。」



おずおずと俺を窺い見る莉茉。



「うん?」


「変な所には絶対に近付かないようにするから、行ってきても良い?」

「…………。」



莉茉は知らねぇ。



俺がお前にベタ惚れな事を…。
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