寵愛の姫 Ⅱ【完】


「…あぁ、行ってこい。」


「ん、ありがとう。」




ふわりと莉茉が顔を綻ばせる。




「行ってきます、暁。」


「莉茉、楽しんで来いよ?」


「うん。」




満面の笑みで小さく手を振った莉茉がドアの外に消えていく。




しんと静まる部屋。




莉茉が来る以前は、これが普通の事だったのに…。
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