寵愛の姫 Ⅱ【完】




「なぁ、暁さんが来るって話しは本当なのか?」


「らしいな、詳しい事は何も知らされてないけど…。」



そこかしらでざわめく下っ端。



囁き声が多くなる。





倉庫内に流れた噂。



“あの”高崎暁が来る。




知れ渡った瞬間、倉庫中に衝撃が駆け回った。





その情報に、皆が浮き足立つのは致し方ない事。




「―――大丈夫か、叶?」



二階からそんな面子達がいる階下を見下ろす俺の肩に大輔が手を置いた。
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