寵愛の姫 Ⅱ【完】



「…だな。」



そんな俺に大輔は、はぁと安堵の息を吐き出す。



「っ、総長。」

「…………、」



……来たか。




走り寄る面子に俺は覚悟を決めて下へと階段を降り始めた。



「どうした?」



息を切らす面子の前に立つ。



「…あ、の…」


「あぁ。」



しどろもどろに言葉を綴る蒼白な面子の肩を軽く落ち着かせるように叩く。
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