寵愛の姫 Ⅱ【完】



「大丈夫だ、ゆっくりで良いからと話せ。」


「はい、実は……。」




はっとしたようにその表情が引き締まる。



「外に来られてます。」


「――そうか。」




誰が、とは聞かない。



分かり切っている事だから。



「大輔、行くぞ。」


「あぁ。」



後ろに大輔を従えて、俺は待っているだろう人の元へと歩き出した。
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