寵愛の姫 Ⅱ【完】


「っ、」



ぴくりと跳ねる暁の身体。



「…暁…。」



…もっと…


―――あなたに近付きたい。





そう、思う事は間違っているのだろうか?





そっと、暁の胸元に自分の右手を添える。





どくどくと、リズムを刻む心音の鼓動が早い。








ねぇ、私を意識してくれているの?




「っ、莉茉っ!」




切羽詰まったような暁に、手を急に掴まれた。
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