寵愛の姫 Ⅱ【完】

対峙―暁side―



「―――どうぞ。」


「…あぁ。」



俺に席を進める叶に、ソファー座りながら目を細める。




…良い男になったな。



出会った頃よりも、ずっと…。




「暁さん、話しとは?」




真っ直ぐな



……“男”の瞳を、俺に向けるようになった。




気持ちを落ち着かせる為に煙草をポケットから取り出す。



「…莉茉を桜樺に通わせる。」



紫煙と共に吐き出された言葉に、叶の瞳が見開かれた。
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