寵愛の姫 Ⅱ【完】



「ありがとうございます、とても気に入りました。」


「それは良かったです。」



まじまじと見つめる私に、店員さんの緊張に強張っていた顔が綻ぶ。




「あら、良いじゃない。」


「お母さん。」



私の爪先を見たお母さんの賞賛に嬉しくなった。



「お母さんの爪も綺麗です。」
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