寵愛の姫 Ⅱ【完】



「だから羽にしたんです。」




自分の爪先に視線を落とす。




今はもう、暁の腕中から羽ばたきたいとは思わない。



でも、憧れの気持ちは変わずにそのまま心に鮮やかに残ってる。




だから、構図を練る段階でまず一番に私が思い浮かべたのは羽だった。



「そう、莉茉ちゃんは羽をやっと手に入れたのね。」
< 318 / 440 >

この作品をシェア

pagetop