寵愛の姫 Ⅱ【完】



「はい、やっと手に入れたました。」




照れ臭くなって、自分の指に視線を落とす。




手を宙に翳すと小さな羽が飛び立ったような気がした。



「さぁ、莉茉ちゃん。次のお店に行くわよ。」



バックを手に颯爽と立ち上がるお母さん。




「はい。」




張り切るお母さんに私は笑って頷いた。




「あっ。」




急に口に手を当ててお母さんが立ち止まる。
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