寵愛の姫 Ⅱ【完】

増悪―茉莉side―



「――――莉茉?」




上品な女性と楽しそうに談笑する莉茉をまじまじと見つめる。




本当にあの子なのか一瞬、分からなかった。




それほどに垢抜けた服装に、明るい笑顔。




余りの信じられなさに自分の目を疑ったぐらい、その変化が著しかった。




「っ、何であの子がっ!」




追い詰めたのに…。




徹底的に容赦なく。




天野叶を使って、奈落の底に叩き落としてやったのにっ!




唇を噛み締めて、踵を返した。
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