寵愛の姫 Ⅱ【完】



「っ、お母さん!!」


「え?茉莉ちゃん…?」




勢い良くリビングの扉を開け放った私に、お母さんは呆気にとられたような表情を浮かべた。



「茉莉ちゃん、そんなに慌てて一体どうしたの?」



のんびりとしているお母さんに対して、苛立ちが募る。



「…お母さん、さっき莉茉を見た…。」



見たの。
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