寵愛の姫 Ⅱ【完】
「あっ。大雅さんも要らしたんですね。」
「うん、暁に少しだけ用があったからね。」
「用?暁、お仕事なの?」
首を傾げて見上げる莉茉ちゃんに暁の顔が緩む。
「いや、用は終わった。」
「そうそう、俺も帰ろうとしてた所だったし。」
莉茉ちゃんが帰って来たなら、長居は無用。
さっさと帰るとしますか。
「またね、莉茉ちゃん。」
「はい。」
おずおずと微笑んだ莉茉ちゃんに背を向けて、俺は暁のマンションを後にした。