寵愛の姫 Ⅱ【完】
「お母さんも私に聞いたの。“どうして羽にしたの?”って。」
「お袋がか?」
「うん、そう。」
にっこり微笑んだ莉茉が自分の爪へと視線を落とす。
ゆっくりと語られる羽に憧れる理由を聞いて、胸が締め付けられた。
こんなにも、こいつが生きてきた世界は息苦しくて、孤独に溢れてる。
莉茉は望まないだろうけど…。
息の根を止めてやりたいほどに、
…………お前の両親を本気で潰してやりてぇよ。