寵愛の姫 Ⅱ【完】


せっかく手に入れた小鳥を手離して堪るか。



「…何、それ…。」



頬を染めた莉茉が破顔した。



「大丈夫だよ、暁。」


「大丈夫?」


「うん、絶対に暁の側からは飛び立ちたいとは思わないから。」



にっこり微笑んだ莉茉が俺の腰に抱き付く。




ふわりと薫る香り。



「ずっと暁の側にいたい。」
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