寵愛の姫 Ⅱ【完】


「話し?」


「あぁ、聞いてくれるか?」


「うん、聞く。」



頷いた莉茉の華奢な腰を抱く手に、力を込める。



「―――叶に会わないか?」


「……え?」



見開く瞳。



唇も戦慄く。




呆然と莉茉は俺を見つめるその顔に、




……少しの恐怖の色を滲ませた。
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