寵愛の姫 Ⅱ【完】



「…莉茉。」




口付けを終わらせた暁に髪を優しく撫でられる。



「……。」


「……。」



荒い息の中、熱を宿した暁の瞳と見つめ合う。



「…好き…。」



ぽつりと言葉が溢れた。



……好きなの、暁…



狂おしさに、私のこめかみに涙が溢れ落ちる。



これが、誰かを好きになるって事なんだ……。




ーーーこんなにも幸福で。



…………こんなにも満たされる。
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