寵愛の姫 Ⅱ【完】


「莉茉?」


「暁、ちょっと待ってて。」


「うん?」



怪訝そうな表情の暁の膝の上から慌てて降りて、急いで鞄の中を漁る。



……あった……



“それ”を手に持って、私は暁の方へと振り返った。



「暁にお願いがあるの。」


「お願い?」


「うん、お願い。」



暁にして欲しいの。



前に進む為の力にしたいから。
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