寵愛の姫 Ⅱ【完】


「慣れるんじゃねぇ。」


「え?」


「痛みにお前が慣れる必要なんかねぇよ。」



そっと莉茉の頬に手を添える。



「もう、誰にも莉茉を傷付けさせない。」



自分自身への誓い。




守ろう。



ーーーー愛おしい君を。



「…………暁……。」



目を潤ませた莉茉が俺の手に擦り寄った。
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