寵愛の姫 Ⅱ【完】
解放

先代




「莉茉。」



車の中にいる私に暁の手が差し伸べられる。



「…ん。」



躊躇なく握り締めれば、強い力で引き寄せられた。




すっぽりと暁の腕の中に収まる私の身体。



それだけで、震えが止まる。



「大丈夫だ、莉茉。」


「…うん。」


「俺が側にいる。」


「うん。」



暁の腕の中で髪を撫でられながら、言葉を聞いた。
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