寵愛の姫 Ⅱ【完】



…っ、でも…



『莉茉の“全て”を知っているのは、俺だけだ。』



胸の内に灯る嫉妬心。






…勝手だよな…



俺が傷付けて手離したくせに、盗られたくないと思う。




身勝手過ぎる、莉茉への感情。



『叶、莉茉に手を出せば例えお前でも殺す。』



…きっと…



暁さんには見透かされていた。





そんな俺への忠告。




何も言い返せなかった時点で、莉茉への気持ちが負けていた。
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