寵愛の姫 Ⅱ【完】


「っ、莉茉は―――。」


「うん?」


「幸せか…?」




…もう…




二度と、莉茉が俺のものにならないんだって実感したい。




―――徹底的に。


―――完膚なきまでに。




…………打ちのめしてくれよ。



「…ん、幸せだよ。」



恥ずかしそうにはにかむ莉茉に、やっぱり胸は痛むけど…。



「…そっか。」



俺は微笑んだ。




………心から。
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