寵愛の姫 Ⅱ【完】



「じゃあ、行くね?」


「…あぁ。」



行くなよ。



なぁ、莉茉。





この狂おしいほどのお前への思いを抱える事が、俺への罰と言うのなら、



………苦し過ぎる。




遠ざかる愛おしい女の背中。



「っ、莉茉っ!」



咄嗟に引き止めた俺の声に小さな背中がびくりと揺れた。
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