寵愛の姫 Ⅱ【完】



「っ、莉茉っ!」




ドアを開けようとした私を叶くんの声が引き止める。



「っ、絶対に幸せになれよ。」


「え?」



思わず振り返れば、切なげな表情をした叶くんの瞳が私を見つめていた。



「お前の幸せを俺は祈ってるから。」


「…叶くん…。」



…あぁ、もう。



泣いてしまいそうだ…。
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