寵愛の姫 Ⅱ【完】



ガチャリと開くドア。




目を潤ませた莉茉が俺を見つけた瞬間、ふわりと顔を綻ばせた。



「っ、暁。」


「…莉茉…。」



俺に駆け寄って来た莉茉の身体を強く抱き締める。





…やっと…



欠けていた半身を取り戻した気分だ。




「暁、ちゃんと叶くんとお別れしてきたよ。」


「…良く頑張ったな。」




莉茉の髪を梳く。
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