寵愛の姫 Ⅱ【完】


「…何がだ?」


「何だか不安そうな顔をしてる。」



不安そうな顔?



俺が、か…?




呆然と莉茉を見下ろす。




「…大丈夫だよ、暁。」


「……、莉茉…。」



起き上がった莉茉にふわりと頭を抱き締められる。



柔らかくて、温かい体温に俺の身体から力が抜けた。



「…っ、莉茉、俺…」



…あぁ…



きっと、この胸の中にある気持ちが不安なんだ。
< 427 / 440 >

この作品をシェア

pagetop