寵愛の姫 Ⅱ【完】



「…っ、莉茉。」


「…黙って、暁。」




そっと、 唇を重ねる。




口内に舌を差し込めば、ぴくりと暁の身体が跳ねた。




何度も口付けを繰り返せば、段々と羞恥心も薄れ行く。



「……ん。」



ゆっくりと唇を離せば、銀色の糸がつたった。



「…莉茉…。」



欲情を孕んだ暁の声に、ぞくりと肌が粟立つ。




―――この表情も


―――乱したのも



……全部させたのは私だ。
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