寵愛の姫 Ⅱ【完】




「強く吸うんだ。」


「強く?」


「あぁ、やってみろ。」


「ん。」




促されて試せば、薄くともくっきりと残る跡。



「…付いた。」


「そうか。」



満足げに私が笑えば、暁が優しい眼差しを向ける。




…あぁ…



愛されてるなって思える瞬間。




―――身体も。


―――心も。



全てが満たされる。
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