寵愛の姫 Ⅱ【完】
夜明け

体温



「……ん。」



ゆっくりと眠りの縁から意識が覚醒していく。




閉じていた瞳を開ければ、目の前には暁の整った寝顔。



「…可愛い。」



安らかな寝顔の暁の頬に思わず、そろりと手を伸ばす。




…………その輪郭を撫でた。



「…夢を見ているみたい…。」



昨日、この人に抱かれたんだ。





つきつきと痛む下腹部が、昨夜の行為を私に知らしめる。
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