寵愛の姫 Ⅱ【完】




「…愛されたんだ…。」




いらない存在だったはずの私なのに…。




………この身体を暁と重ねたんだ…。




「…暁…。」



こっそりと、暁の温かな胸に顔を埋める。





どくどくと規則正しく鳴る心音に耳を澄ませた。






―――愛おしい。




狂おしさに、暁の胸元に手を這わせる。
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