寵愛の姫 Ⅱ【完】



「……ん、」



暁の目蓋が震えた。




私を抱き締めている暁の腕に無意識に力が入る。




……その事が無性に嬉しい。



「……莉茉…?」



うっすらと暁の瞳が開かれる。



私の姿を捉えると、その顔が甘く微笑んだ。



「莉茉、おはよう。」


「っ、」




掠れた暁の声と微笑みにどきりと胸が高鳴る。
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