寵愛の姫 Ⅱ【完】




「っ、若お疲れ様です。」


「……何の用だ?」



引き攣った笑みで頭を下げれば、露骨に不機嫌な暁が俺に冷たい視線を向ける。



「あの、いい加減に仕事に出てもらえませんかね…?」


「……。」



黙り込む暁。




……やっぱり、不機嫌にもなるよね…。




……でも……


暁の仕事がたんまりと溜まってるんだよ…。





このまま、莉茉ちゃんと部屋に籠られるのは実直、痛い。
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